川崎市条例評価

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川崎市自殺対策の推進に関する条例

読み: かわさきしじさつたいさくのすいしんにかんするじょうれい (確度: 0.95)
所管部署(推定): 健康福祉局精神保健福祉課 (確度: 0.9)
AI評価日時: 2026-02-17 18:10:31 (Model: gemini-3-flash-preview)
D_理念宣言中心_実施見直し候補 KPI不明理念優位重複疑い
必要度 (1-100)
35 (低)
財政負担 (1.0-5.0)
3
規制負担 (1.0-5.0)
1 (軽)
政策効果 (1.0-5.0)
2
判定理由
本条例は、具体的な行政サービスの提供よりも、市民や民間団体に対する「意識変革」や「理解」の要請という精神的規定を主眼としている。これは行政の肥大化を招く典型的な理念条例であり、実効性のあるKPIが欠如しているため、見直しが必要である。
川崎市自殺対策の推進に関する条例
平成25年12月24日条例第75号 (2013-12-24)
○川崎市自殺対策の推進に関する条例
平成25年12月24日条例第75号
川崎市自殺対策の推進に関する条例
人の命は、何ものにも代え難い。しかし、自ら命を絶つ人が川崎市でも跡を絶たない。
自殺に至る背景には、個人的な要因だけではなく、社会的な要因もあり、それらが複合的に重なっていることから、その対策も個々の自殺発生の危機への対応だけではなく、誰もが健康で生きがいをもって暮らすことのできる社会の構築まで一貫したものでなければならない。
そのため、川崎市においても、自殺を個人の問題としてのみではなく、社会全体で取り組む問題として捉えていく必要があり、市民一人ひとりが自殺を自らと決して無関係ではない問題として意識し、自殺対策に関心と理解を深めていくことが重要となっている。
ここに、川崎市は、自殺対策を推進して、自殺の防止及び自殺者の親族等に対する支援の充実を図るとともに、誰もが自殺に追い込まれない社会の実現に向けて、市民その他関係者と共に取り組んでいくため、この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、自殺対策に関し、基本理念を定め、市の責務、市民の役割等を明らかにするとともに、自殺対策の基本となる事項を定めることにより、自殺の防止等に対する市民の意識の高揚を図りつつ、市の状況に応じた自殺対策を総合的に推進し、もって市民が互いに支え合い、健康で生きがいを持って暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第2条 自殺対策は、次の基本理念にのっとり、その推進が図られなければならない。
(1) 自殺が個人的な問題としてのみ捉えられるべきものではなく、その背景に様々な社会的な要因があり、その多くを防ぐことができる問題であることを踏まえて、社会的な取組とすること。
(2) 自殺が多様かつ複合的な原因及び背景を有するものであることを踏まえ、単に精神保健的観点からのみならず、自殺の実態に即したものとすること。
(3) 自殺の事前予防、自殺発生の危機への対応及び自殺が発生した後又は自殺が未遂に終わった後の事後対応の各段階に応じた効果的な施策とすること。
(4) 市及び関係機関等(国、他の地方公共団体、医療機関、事業主、学校、自殺の防止等に関する活動を行う民間の団体その他の自殺対策に関係する者をいう。以下同じ。)相互の密接な連携の下に行われるものとすること。
(市の責務)
第3条 市は、前条の基本理念にのっとり、関係機関等と連携しつつ、自殺に関する現状を把握し、市の状況に応じた施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施するものとする。
2 市は、前項の規定による関係機関等との連携、現状の把握並びに施策の策定及び実施に当たっては、これらの行為が各区又は地域の実情に応じたものとなるよう配慮するものとする。
3 市は、一定期間に発生した自殺の原因、方法、件数等から判断して急を要すると認めるときは、速やかに必要な対応を行うものとする。
(事業主の責務)
第4条 事業主は、自殺対策において重要な役割を果たし得ることを認識し、自殺及びその背景にある心の健康の問題その他の問題に対する正しい理解を深めるよう努めるものとする。
2 事業主は、市及び他の関係機関等と連携して、その雇用する労働者の心の健康の保持を図るため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(保健医療サービス等を提供する者の責務)
第5条 保健医療サービス、福祉サービス等(以下「保健医療サービス等」という。)を提供する者は、自殺対策に直接関係すること又は寄与し得ることを認識し、自殺及びその背景にある心の健康の問題その他の問題に対する正しい理解を深めるよう努めるものとする。
2 保健医療サービス等を提供する者は、市及び他の関係機関等と連携して、保健医療サービス等の利用者に係る自殺の防止等に資するよう、適切な措置を講ずることに努めるものとする。
(学校等の責務)
第6条 学校その他これに類する教育機関(以下「学校等」という。)は、自殺対策において重要な役割を果たし得ることを認識し、自殺及びその背景にある心の健康の問題、いじめその他の問題に対する正しい理解を深めるよう努めるものとする。
2 学校等は、市、他の関係機関等、児童、生徒等の保護者等と連携して、児童、生徒等が心身ともに健康な生活を営むことができるよう、前項の問題に関する支援その他の適切な措置を講ずることに努めるものとする。
(市民の役割)
第7条 市民は、自殺が自己に関係のある問題となり得ること及び自殺の防止等に資する行為を自らが行い得ることを認識し、自殺及びその背景にある問題に対する正しい理解を深めるとともに、それぞれが自殺対策に関し適切な役割を果たすよう努めるものとする。
(財政上の措置等)
第8条 市は、この条例の目的を達成するため、必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。
(自殺対策総合推進計画の策定等)
第9条 市長は、市の状況に応じた自殺対策を総合的に推進するための計画(以下「自殺対策総合推進計画」という。)を定め、及びこれに基づき次に掲げる事項に関し必要な施策を講ずるものとする。
(1) 自殺の防止等に関する調査研究の推進並びに情報の収集、整理、分析及び提供
(2) 自殺の防止等に関する市民の理解の増進
(3) 自殺の防止等に関する人材の確保、養成及び資質の向上
(4) 職域、学校、地域等における市民の心の健康の保持に係る体制の整備
(5) 自殺の防止に向けた早期かつ適切な医療を提供するための体制の整備
(6) 自殺の発生を回避するための相談その他の適切な対処を行う体制の整備及び充実
(7) 自殺未遂者に対する支援
(8) 自殺者及び自殺未遂者の親族等に対する支援
(9) 民間団体の行う自殺の防止等に関する活動に対する支援
2 自殺対策総合推進計画においては、自殺に関する市の状況を勘案し、自殺対策に関する定量的な目標を定めるものとする。
(留意事項)
第10条 市長は、自殺対策総合推進計画の策定及びこれに基づく施策の実施に当たっては、次に掲げる事項に留意するものとする。
(1) 各区又は地域の実情に配慮すること。
(2) 次に掲げる役割を業務の性質上担うことが可能であると認められる職業の団体に対し、心の健康又は自殺の防止に関する知識の普及に資する情報提供その他の必要な支援が行われるようにすること。
ア 自殺及び自殺に関連する事象に関する正しい知識を普及する役割
イ 自殺の兆候に気付いて、当該兆候を示した者に話しかけ、又は話を聞き、必要に応じて専門的な機関、団体等から相談、助言等が受けられるよう支援し、又は当該兆候を示した者を見守る役割
(3) 市民がそれぞれ自己の親族、知人その他の関係者の異変に気付いた場合に、前号イに掲げる役割を担って適切に行動することができるよう、必要とされる基礎的な知識の普及が図られるようにすること。
(評価及び報告書の作成等)
第11条 市長は、毎年度、自殺対策総合推進計画の進捗状況及び第9条第2項の目標の達成状況について評価を行い、その結果及び市における自殺の概要に関する報告書を作成し、これを議会に提出するとともに、公表するものとする。
2 市長は、前項の評価を行おうとするときは、川崎市自殺対策評価委員会の意見を聴くものとする。
(自殺対策評価委員会)
第12条 前条第2項に定めるもののほか、自殺対策に係る重要事項について調査審議するため、川崎市自殺対策評価委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会は、委員5人以内をもって組織する。
3 委員は、学識経験者、医師及び市職員のうちから市長が委嘱し、又は任命する。
4 委員の任期は、3年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 委員は、再任されることができる。
6 前各項に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(連携のための仕組みの整備)
第13条 市長は、自殺対策を総合的かつ円滑に推進することができるよう、市及び関係機関等が相互に密接な連携を図るための仕組みを整備することに努めるものとする。
附 則
この条例は、平成26年4月1日から施行する。
附 則(平成27年3月23日条例第17号)
この条例は、平成27年4月1日から施行する。