川崎市条例評価

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川崎市中小企業活性化のための成長戦略に関する条例

読み: かわさきしちゅうしょうきぎょうかっせいかのためのせいちょうせんりゃくにかんするじょうれい (確度: 0.95)
所管部署(推定): 経済労働局産業政策部(推定) (確度: 0.9)
AI評価日時: 2026-02-18 16:08:42 (Model: claude-opus-4-6)
D_理念宣言中心_実施見直し候補 KPI不明上位法参照あり理念優位
必要度 (1-100)
25 (低)
財政負担 (1.0-5.0)
2
規制負担 (1.0-5.0)
1 (軽)
政策効果 (1.0-5.0)
1 (無効?)
判定理由
全24条の大半が「努めるものとする」の精神的規定で構成される典型的な理念条例である。中小企業基本法・小規模企業振興基本法が既に地方公共団体の施策実施責務を規定しており、本条例は上位法の屋上屋に過ぎない。具体的なKPI・数値目標・サンセット条項が一切なく、市民や民間事業者への精神的義務付け、産業振興協議会という会議体の維持コスト、白紙委任的な財政措置条項など、行政肥大化の典型的要素を備える。
川崎市中小企業活性化のための成長戦略に関する条例
平成27年12月17日条例第84号 (2015-12-17)
○川崎市中小企業活性化のための成長戦略に関する条例
平成27年12月17日条例第84号
川崎市中小企業活性化のための成長戦略に関する条例
川崎市は、首都圏の中央部に位置するという地理的条件を生かしながら、ものづくりを中心に多様で幅広い産業が集積するとともに、日本を代表する数々の企業が成長することで、国際的な産業都市として発展してきた。
また、かつて高度経済成長をけん引した京浜工業地帯では、深刻な公害など環境問題に直面したこともあったが、その克服に取り組む過程で培われた優れた環境技術の集積がなされてきた。
このような川崎市の産業の発展や優れた環境技術の集積を促してきた推進力が、各企業における新たな製品及びサービスの開発等を通じて新たな価値を生み出していこうとするイノベーションの創出の取組であり、近代産業の歴史において、このイノベーションを創出する企業家精神がこの地で発揮され、その成果が現在に至るまで脈々と受け継がれてきた。
そして、川崎市のイノベーションの創出を支えてきた重要な存在が、市内企業の多数を占める中小企業であり、時代の先駆けとして積極果敢に挑戦を続け、社会経済環境の変化に対応し、商業、工業、サービス業等の様々な分野において、地域経済を支える努力を重ねることで、市民生活を豊かにし、川崎市の発展に大きく貢献してきた。
一方で、中小企業を取り巻く環境は、経済の国際化の進展に伴う企業間競争の激化、人口減少や少子高齢化の進展に伴う国内需要の低迷等により厳しさを増している。
このような状況においては、直面する危機を改革への機会と捉え、厳しい環境を果敢に乗り越えようとする中小企業者の自主的な取組、そして、その取組を促進するための市、中小企業者、関係団体等の連携による環境づくりが重要である。さらには、国内及び海外からの投資並びに企業の立地が活発化し、多くの中小企業が生まれ、また、今ある中小企業が成長することで、経済全体が活性化するという好循環を本格的に創出することが求められているのである。
国においても、中小企業憲章において、中小企業が経済をけん引する力であり、社会の主役であるとされているところである。また、中小企業基本法及び小規模企業振興基本法は、中小企業者及び小規模企業者の自主的な努力を基本としつつ、その多様で活力ある成長発展や事業の持続的発展を促すために、地方公共団体がその区域の特性に応じた施策を実施する責務を有することを規定している。
さらに、川崎市では、地域の経済界の主体的な取組により、広範な関係者による中小企業の活性化のための成長戦略についての議論が重ねられてきた。
これらを受け、中小企業がその活力を最大限に発揮するための環境づくりと好循環の創出を推進し、もって川崎市の持続的な発展に寄与するため、この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、中小企業の活性化に関し、基本理念を定め、並びに市の責務並びに中小企業者、関係団体等及び市民の役割を明らかにするとともに、中小企業の活性化に関する施策の基本となる事項を定めることにより、中小企業の活性化を総合的かつ計画的に推進し、もって市内経済の発展及び市民生活の向上に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 中小企業者 中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条第1項各号のいずれかに該当する者で、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。
(2) 大企業者 中小企業者以外の事業者(会社又は個人に限る。)で、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。
(3) 大学等 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する大学その他の研究機関で、市内に施設を有するものをいう。
(4) 金融機関 銀行その他の金融機関で、市内に営業所又は事務所を有するものをいう。
(5) 関係団体等 中小企業に関する団体及び前3号に掲げるものをいう。
(基本理念)
第3条 中小企業の活性化は、次の基本理念にのっとり、その推進が図られなければならない。
(1) 中小企業者の経営の改善及び向上に対する自主的な取組が促進されること。
(2) 国内及び海外からの投資並びに企業の立地が活発に行われることにより、地域の活性化が促進されること。
(3) 市、国、関係地方公共団体、中小企業者、関係団体等及び市民の相互の連携が促進されること。
(市の責務)
第4条 市は、中小企業の活性化に関する施策を、関係する部局の有機的な連携の下に、総合的かつ計画的に策定し、及び実施するものとする。
2 市は、国、関係地方公共団体、中小企業者及び関係団体等との緊密な連携を図り、中小企業の活性化に関する施策を効果的に実施するものとする。
3 市は、中小企業の活性化に関する施策について、中小企業者、関係団体等及び市民からの理解と協力を得るため、広報活動を行うよう努めるものとする。
(中小企業者の役割)
第5条 中小企業者は、自主的に経営の改善及び向上を図るよう努めるものとする。
2 中小企業者は、中小企業に関する団体に加入すること等により、中小企業に関する団体との連携に努めるものとする。
3 中小企業者は、市が実施する中小企業の活性化に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(中小企業に関する団体の役割)
第6条 中小企業に関する団体は、中小企業者の経営の改善及び向上の支援に積極的に取り組むものとする。
2 中小企業に関する団体は、自らその運営の状況を明らかにして中小企業者及び大企業者が加入しやすい状況をつくること等により、これらの者との連携に努めるものとする。
3 中小企業に関する団体は、市が実施する中小企業の活性化に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(大企業者の役割)
第7条 大企業者は、市が実施する中小企業の活性化に関する施策に協力するよう努めるものとする。
2 大企業者は、中小企業に関する団体に加入すること等により、中小企業に関する団体との連携に努めるものとする。
(大学等の役割)
第8条 大学等は、人材の育成並びに研究及びその成果の普及を通じて、市が実施する中小企業の活性化に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(金融機関の役割)
第9条 金融機関は、中小企業者が経営の改善及び向上に取り組むことができるよう、中小企業者の事業内容に応じた資金の貸付並びに経営に関する相談及び助言を通じて、市が実施する中小企業の活性化に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(市民の役割)
第10条 市民は、中小企業の活性化が市内経済の発展及び市民生活の向上に寄与することを理解し、中小企業の活性化に協力するよう努めるものとする。
(産業の振興に関する計画)
第11条 市長は、中小企業の活性化に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、市長が策定する産業の振興に関する計画に、次に掲げる事項を定めるものとする。
(1) 中小企業の活性化に関する基本方針及び総合的かつ長期的な目標
(2) 中小企業の活性化に関する基本的施策
(3) その他中小企業の活性化に関する施策を推進するために必要な事項
2 前項各号に掲げる事項を定めるに当たっては、地域の特性を考慮するものとする。
3 第1項各号に掲げる事項を定めるに当たっては、中小企業者、中小企業に関する団体その他の関係者の意見を聴くための必要な措置を講ずるものとする。
(創業、経営の革新等の促進)
第12条 市は、創業及び中小企業者の経営の革新(中小企業基本法第2条第2項に規定する経営の革新をいう。以下同じ。)その他経営の向上への意欲的な取組を促進するため、次に掲げる施策その他の必要な施策の推進を図らなければならない。
(1) 創業しやすい環境の整備
(2) 中小企業者の経営の革新に関する情報の提供
(3) 中小企業者の技術の向上に関する支援
(4) 中小企業者が新たに開発した製品及び技術の販路の拡大に関する支援
(連携の促進)
第13条 市は、中小企業者と大企業者との知的財産その他の経営資源(中小企業基本法第2条第4項に規定する経営資源をいう。以下同じ。)に係る連携を促進するため、当該連携の機会の提供その他の必要な施策の推進を図らなければならない。
(研究及び開発の支援)
第14条 市は、大企業者及び大学等における専門的知識を有する人材及び高度な技術を中小企業者が活用することを促進するため、中小企業者と大企業者又は大学等との連携による研究及び製品開発の取組の支援その他の必要な施策の推進を図らなければならない。
(経営基盤の強化及び小規模企業者の事情の考慮)
第15条 市は、中小企業者の経営基盤の強化に資するため、次に掲げる施策その他の必要な施策の推進を図らなければならない。
(1) 経営資源の確保に関する相談
(2) 中小企業者に対する資金の円滑な供給の促進
2 市は、前項の施策の推進に当たっては、経営資源の確保が特に困難であることが多い小規模企業者(中小企業基本法第2条第5項に規定する小規模企業者で、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。)の事情を考慮するものとする。
(地域の活性化の促進)
第16条 市は、地域の活性化が中小企業の活性化に資することを踏まえ、次に掲げる施策その他の必要な施策の推進を図らなければならない。
(1) 地域の特性を生かした新たな事業の創出の支援
(2) 地域における経済活動の拠点の形成の促進
(人材の確保及び育成)
第17条 市は、事業の展開に必要な人材の確保が困難であることが多い中小企業者の事情を踏まえ、次に掲げる施策その他の必要な施策の推進を図らなければならない。
(1) 若者、女性、高齢者等の就業を希望する者に応じた就業の支援
(2) 青少年の職業についての基礎的な知識及び勤労を重んずる態度を養うことに資する職業を体験する機会の提供
(海外市場の開拓等の促進)
第18条 市は、中小企業者が行う海外市場の開拓等を促進するため、当該開拓等に資する情報の提供及び相談その他の必要な施策の推進を図らなければならない。
(受注機会の増大等)
第19条 市は、工事の発注、物品及び役務の調達等(以下「工事の発注等」という。)に当たっては、予算の適正な使用並びに透明かつ公正な競争及び契約の適正な履行の確保に留意しつつ、工事の発注等の対象を適切に分離し、又は分割すること等により、中小企業者(市内に主たる事務所又は事業所を有するものに限る。以下この条において同じ。)の受注の機会の増大を図るよう努めるものとする。
2 市は、工事の発注等に当たっては、予算の適正な使用並びに透明かつ公正な競争及び契約の適正な履行の確保に留意しつつ、中小企業者の社会貢献の取組の状況についてしん酌するよう努めるものとする。
3 市は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者の指定に当たっては、予算の適正な使用並びに透明かつ公正な選定手続及び当該公の施設の効果的な管理の確保に留意しつつ、中小企業者の参入の機会の増大を図るよう努めるものとする。
(施策における考慮)
第20条 市は、市が行う他の施策の推進においても、当該施策が中小企業の活性化に及ぼす影響について考慮するよう努めるものとする。
(調査及び研究)
第21条 市は、中小企業の活性化に関する施策を効果的に実施するため、必要な情報の収集及び調査研究を行うものとする。
(施策の検証等)
第22条 市長は、中小企業の活性化に関する施策の実施状況について、川崎市産業振興協議会の意見を聴いて検証するとともに、その検証の結果を当該施策に適切に反映させるよう努めるものとする。
(実施状況の公表)
第23条 市長は、毎年度、中小企業の活性化に関する施策の実施状況を取りまとめ、これを公表するものとする。
(財政上の措置)
第24条 市は、中小企業の活性化を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
附 則
この条例は、平成28年4月1日から施行する。